後書き――もっと余裕よゆうつべきか――


 一年前の自分がつけてくれた謎の後書きタイトルのおかげで書き出し部分のネタに困らず意外と救われています。当時はネタに困る一方でしたが一年後に役立つとは……なんて奥が深い(それは何か違うような気が……)。
 そこで、せっかくなのでこの疑問系なタイトルに答えておきたいのですが、もちろんもっと余裕を持つべきです。締め切り直前の睡眠時間削りは、大変身体に悪いと思うので。ええ全く(……とほほ)。

 今回、第三回の「望む心は翼のように」は二〇〇一年六月号のGNO‐SISに掲載されたものの大幅修正版です。実は一部相当変わりました。今回は話の展開の都合上、友典も秋も一粋もよく喋ること喋ること……ことに一粋はエセ関西弁丸出しです。
 そういえば、ここまでのところで書いてないようですが、一粋くんは彼ら五人の中では一人だけ一歳年上なんです。お金がなくて大学に入学できなかったんですね(入試に受かってから父親が高価な絵を買ってしまい、奨学金は借金嫌いな彼には気に食わず結局その年は諦めたのです。……潔いって言っていいのかなぁ、これ。自分でやりたいとは思いませんけどね)。だから皆と学年は一緒だけど一歳年上。かなりの苦労人、若白髪からその苦労が窺えます(……苦労人に設定して申し訳ないです、一粋くん)。因みに彼に関しては、「外伝弐」を参照してくださると、多分もっと細かく書いてあります。
 あー、それから友典の機嫌が悪かったのは『眠かったから』ということになりましたが、実はこれ、聞くところによると私本人の特徴らしいです。いえ、ちゃんと何があったかは覚えていますよ。機嫌が悪いことを自覚しないだけで。……後輩たちからも「似てる」と言われてしまったので、事実なのでしょう……困りましたね。
 それから少年=奏流。この子の名前は漢字が決まらずにさんざん苦労しました。最初は『創流』といったのですが(読みは同じ)、「創」には「きず」という意味があります。そういう目で見ると、「流」も悪い解釈ができるんで、何か上の文字の印象をよくしてみたかったのです。「流れを創る」から「流れを奏でる」ですから、果たして成功しているのかどうかは微妙ですけど。
 しかし、この子がまさかこうまで天真爛漫・天衣無縫なキャラクターになるとは思いませんでした。設定上は確かにそうなって然るべきなのですが当初の予定としてはもっと大人しかったはず。動かしてみると無茶苦茶走りましたし、きっとこの話に大人しいキャラクターなんていないんですね。……私が暴走してるだけかもしれませんが。

 第二話とこの第三話は、話が由乃中心に動いています。第二話で受け入れてもらえた由乃が、まだちょっと安心しきれないでいるような、そんな感じで話が続いています。多分私は、皆の内でも特に彼女に幸せになって欲しいと願ってそうしたのではないかと思います。
 彼女に関しては外伝壱を参照していただくのが早いですが、あまりに違う人なので愕然とするかもしれません。実際、繋ぐエピソードをもう一つ教えてもらわなければならないかも、と思ってます(……)。

 ところで、お気づきでないとは思いますが、第三話のポイントは「皆が皆眠かった事」なのです。詳しくは第一話の謎の伏線と共に、最終後書きにて明かさせていただきます。ふふふふ。連載時に読んでた部員でも気づかなかっただろう(それでは意味がないのだけど……)。

 それでは続きはまた次回に。お楽しみあれ〜。

水門 清哉 拝。


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