☆POT掲載作品についての雑感
※掲載作についてのネタバレがありますので注意してください。



「おとうと。」
初掲載。2003年早稲田祭号。
高校時代と変わらずコンピュータが意志を持つネタを書いているのは、この時に他に何も浮かばなかったからだと思う。
これと世界観が同じだと考えると「プロジェクトSTEB」が途端にブラックジョークになるなと思った覚えがある。
ちょっと分かりにくい・説明的な話だなと、編集時に読み返して思った。

「あしたはきのう」
2004年4月号。
多分「巻き戻り」をキーワードに設定して書いた話。4月からなんて後ろ向きな話をー(文字通り)。
なぜだか分からないが「口紅を隠された」というネタが後輩に受けた覚えがある。リアリティなさげだけど。
これまでの人生をまんま遡れと言われたら、正直私は嫌だなぁ。まんまやり直しなら認めないでもないけど。

「みけさん。」
2004年早稲田祭号。
キーワードは「見えない猫」。見えない猫というものがいたらどうなるかという思考遊戯。
チェシャ猫の血統なのかも。ていうか拾って帰った牧彦さんがおかしい。どうやって拾ったんだ。
とりあえず、やりたかったことは失敗してはいない。とは思う。レポート云々が無駄にリアル。

「白い糸の向こうから」
2005年の春〜夏のいつか、らしい。
何となくタイトルが不気味(ピアスの白い糸、という有名な都市伝説を想起させる)だが関係ない。
作成時のファイル名は「糸電話」だったので編集する途中まで気づかなかったり。
謎の声ネタは後でもやるが、ここでもやっていた。この話は相手の声が聞こえるところがミソ、かもしれない。

「鍵っ子」
2005年の春〜夏のいつか、らしい。
ちょっとひねりの入った不気味テイスト、ぐらいの方がグッドエンドより雑誌自体の空気に合うのでこういう方向性。
キーワードは多分「鍵っ子」そのもの。鍵っ子を偏執狂的に発展させたらどうなるかという話。
最後が単なる破滅オチではなく、母親との入れ子的なオチになってることに、編集しててちょっと感心した。

「潮の匂い」
2005年夏近辺のどれか。
多分、試行錯誤の末に「東京湾の海水」と「ペットボトル」をキーワードにして書いた話。
試作段階というか、試行錯誤の中には「ペットボトルの中で飼える月を奪い合って世界が破滅する話」とかがあった気が。
海水を飲まないと身体を維持できない生命、しかも「東京湾の海水」というのが話的に結構ネックだが、
リアルに想像するとなんか臭いんじゃないかと思ったりもちょっとする話。

「しきたり」
2005年早稲田祭号。
障子に穴を開けたがる感覚を思い浮かべて書いた、のかも知れない。
完全に閉鎖された空間への恐怖、の原因に変なものを設定し、極端な形で表現させた感じ。
サークルメンバーからは語り手の口調や感性に問題があるっぽく言われたが、これは彼女自身が歪んでいるのです。

「tapir side-A/side-B」
2005年早稲田祭号。
たぶん4年間で一番私らしい話。そして結局妖怪ネタ。
4年次になっても原稿書いてるとは思わなかったので、悔いがないように自分のベストを尽くしたらしい。
石原が登場する次回作の構想はないでもないですが、メインのネタがいまひとつ見えてないのでまだ無理。
バクのイメージはTRPG『妖魔夜行』のばくのサンプルキャラクター。確か振り返ってた気がするんだけど。
石原のキャラは「いつも寝ている」と「悪食」がキーワード。フルネームは因みに、石原久有助(いしはら・くうすけ)でした。
(いつも寝ている→「ぐーすか」、夢を「喰う」、「久しく有る(妖怪だから)」の3つを掛けてた気が)
実は続編構想があったりもします。タイトルは「tapirs」になる予定(つまり石原の仲間が出る)。

「水辺小話」
2006年5月。
キーワード「金魚姫」。戸山公園の池を覗き込んで、オタマジャクシとかアメンボを観察しながら思いついたもの。
覗き込んでる自分の影が映らなかったらどうだろう、その裏にはどんな事情があるんだろうと考えてみたもの。
金魚姫なら金魚姫でもうちょっと、男を絡めるべきだった気がしないでもない。

「金魚すくい」
2006年夏近辺のどれか。
金魚2連発。本当に水ネタが好きだなと思うけど、夏はやっぱりお祭りで金魚すくいかなーと。
擬人化の極みに到達したエアーポンプのおじさんが地味に気に入っていたりする。
本当は金魚を掬う側の話も繋いで書こうとしていたが、わかりにくくなったので止めた覚えがある。

「ユグドラシル」
2006年10月?
北欧神話週間(ただしキーワードだけ)第一弾。
タイトル通りユグドラシルをシンボルとしたけどもBGMは一青窈(この字でいいんだっけ)の「ハナミズキ」。
一連のYgdシリーズに於いてユグドラシルは漠然とした優しき世界の意志的なもので、なんか色んなところに出てくる、予定だった。

……内容についてはまぁ。当時は大変お疲れでした(笑)。

「連理の枝−ユグドラシルII−」
未掲載。ユグドラシルと一対だったのでここに収録。
今回編集してみたら「白い糸の向こうから」ともろかぶりで微苦笑。唐突系ヒロインと比較的まともな男の話。
「連理の枝」は確か、比翼の鳥とかと同じような表現だったはず。あえて枝なのは、Ygdシリーズの縛りでタイトルに樹木・植物関連の言葉を入れた影響。
「声」はユグドラシルのそれだけれども、「ユグドラシル」に出てきたのと同じものかどうかは不明。
因みに、発表の予定もなくクリスマスネタの第三作を書きかけてはいました。上手くオチなくて止まってますが。

「交錯 side-A/side-B」
2006年早稲田祭号。
知る人ぞ知る「脳内キャラクターがMad Peopleのレスターとジェニー」だった話。それはside-Bだけですけど。私の中でのレスターとかジェニーはこんなんだったり(怖)。
長らく触れずに来た多重人格ネタをやってみようとして綺麗に失敗した話。何をやってるんだ。いやまあ、長らく触れずに来たとか嘘かも知れないけど(STEBの平安編は、ある意味ではそれ系だと認識している)。
この話は最初に来たのは「十六年分の五月一日」という謎フレーズで(忘れもしない、シャワーの最中だった)、「どういう意味だろう?」と考えながら行ったらこうなった。side-Bのタイトルは最後に何となく付けた覚えがあるような。
英語サブタイトルは"recollection(想起・追憶)"と"reflection(反射)"。それなりに凝って付けたけど、わかりにくいかなー。

「Trick or Trick? side-A side-B」
未掲載。多分、保存日時から見ると2006年10月号(もしかすると分量的に早稲田祭号の可能性も)に向けて書いて、だいぶあれだったので没にしたもの。ぶっちゃけ書いたときの記憶はあんまりない。
ユグドラシル前後だったので北欧神話を(Wikipediaで)調べまくってて、その勢いのままに書いたとおぼしき話。
もうともかく北の御方が『魔探偵ロキ』のそれにならないようにするだけで精一杯だった気がする。
最初のイメージはカボチャ頭でデニムのオーバーオールを付けた意味不明の人物で、そういえばこの前後に実際にものもらいができて眼帯を付けていたのでそれを「巫女」と絡めてネタにして……と色々必死だったが、なんか結局、世界が滅んでるのはどうしたものか。というかはっきりとバルドルが腑甲斐ない。というか主人公の女の子が詳しすぎ(笑)。
未発表には未発表だった理由があるんだよね、と言いつつ、ここで出さないと出す機会などない!と思ったので掲載(苦笑)。




☆総合的に見て
類似した傾向の作品が多い、のは気のせいじゃないです。短くて説明を入れられない規模の作品であること、及び毎回締め切りぎりぎりになって朝まで書いてることから、ぱっと発想できて説明をくどくどしなくていいキャラクター(行動一発でどんな奴か分かるようなキャラクター)が多かったり、自分の中でやりやすいタイプのキャラクターが出てきたりしています。
「〜彦」という名前の男性キャラが多くてちょっと笑ったりもしました。牧彦さんとか幸彦さんとか(笑)。
どう見ても「みけさん」の男女は「魔術師の基礎理論(サイトに掲載してたもの、恋愛的な意味で恥ずかしくて読み返せなかったので、改稿するかどうかはともかく一時下ろしてます)」のとそっくりだなーとかも。
不気味系の一発オチが多いのはまぁ、これは掲載先の一発芸的な雰囲気(褒めてます)に合わせた部分が多めですが。

まぁ、面白い4年間でした(サークル入ったの1年次6月で、もう活動休止してますから、実際には4年より短いですが)。
続いて欲しいなー早稲田POT。



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